序盤中盤終盤、隙がないの元ネタは将棋！コピペ全文やパロディ

「序盤中盤終盤、隙がない」の元ネタは将棋の佐藤棋士による名ゼリフです。

このネットミームはなぜ生まれたのか、全文とパロディの「オイラ負けないよ」まで深掘りして解説します。

将棋ファンを中心に今なお使われている「序盤中盤終盤」についてわかりやすくまとめました。

序盤中盤終盤、隙がないの元ネタは将棋！コピペ全文

序盤中盤終盤の元ネタは佐藤紳哉さんの伝説的インタビューです。詳しく解説していきます。

元ネタは佐藤紳哉

「序盤中盤終盤、隙がない」の元ネタは将棋棋士・佐藤紳哉さんの発言です。

佐藤紳哉六段
「序盤、中盤、終盤」 pic.twitter.com/QuXIyErExv

— Eddie A.K. (@CamelHornet) April 12, 2024

このセリフは2012年4月22日に放送されたNHK杯将棋トーナメントの1回戦で誕生しました。

対局カードは、佐藤紳哉六段（当時）と豊島将之六段（当時）。

対戦前のインタビューで、佐藤さんは対戦相手の豊島さんの印象を聞かれ、

豊島？強いよね。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ。だけど、俺は負けないよ。

と発言しました。

一見普通の戦評のように見えますが、横揺れしながら棒読みで語る佐藤さんの姿は挙動不審。

さらに、さん付けではなく「豊島？」と呼び捨て。

これは将棋番組、しかもNHK杯という由緒正しい場面では異例で視聴者は「何が始まったんだ」と釘付けになりました。

硬い雰囲気の場で、エンタメ感あふれる佐藤六段の発言は笑いを誘いネット上で話題になりました。

「豊島強いよね」コピペ全文

序盤中盤終盤の元ネタになった佐藤紳哉さんのセリフ全文を紹介します。

NHK杯司会の矢内女流棋士とのやり取りがコチラです。

矢内「豊島六段の印象はいかがですか？」
佐藤「豊島？強いよね。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ。だけど、俺は負けないよ」
矢内「本局への抱負をお願いします」
佐藤紳「えー、駒たっ、駒たちが躍動する俺の将棋を、皆さんに見せたいね」

下手な役者がアニメ声優をしたときのような話し方からは、事前に何度も練習してきた様子を感じさせます。

佐藤六段は緊張していたのか「駒たちが躍動する俺の将棋」を噛んでしまいました。

後にニコニコ生放送で当時を振り返った佐藤六段は「遊び心だった」と理由を語りました。

このインタビューが将棋ファンの間で話題になり「序盤中盤終盤」がミームとして使われるようになりました。

「序盤中盤終盤、隙がない」という言い回し自体は、将棋を褒めるときの常套句のようなもので以前から使われていました。

しかし佐藤六段がNHK杯でエンタメちっくに発言したことで、ミーム化してしまいました。

橋本崇載のパロディ

佐藤六段による「序盤中盤終盤、隙がないと思うよ」から約半年後、橋本崇載八段がこのインタビューを真似して話題に。

2012年10月28日、NHK杯2回戦での羽生善治九段との対局前、橋本崇載八段がインタビューで次のように語りました。

「羽生さん？強いよね。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ。だけどオイラ負けないよ」

「えー、駒たっ、駒たちが躍動するオイラの将棋を皆さんに見せたいね」

それはなんと、佐藤紳哉六段の名インタビューを完全に模倣したもの。

橋本さんはまったく同じように体を左右に揺らしながら話し、後半噛んでしまうところも再現しています。

スタジオ解説の阿久津主税八段も思わず吹き出して苦笑いしていました。

でもオイラ負けないよ

橋本バージョンの特徴は一人称が「オイラ」に変わっていたこと。

「俺負けないよ」から「オイラ負けないよ」へと微妙にアレンジされていました。

橋本さんのパロディは話題になりましたが全員にウケたわけではありませんでした。

対戦相手が将棋界のレジェンド羽生善治さんということもあり「目上の人に失礼」という声も。

ブログに批判コメントがあふれ炎上状態になり、橋本さんはブログを休止する事態になりました。

ちなみに羽生善治さんは、橋本さんのおふざけを全く気にしていなかった様子。

後のインタビューで「なんかやってたみたいだね」とサラッと答えており、むしろ微笑ましく見ていたようです。

序盤中盤終盤、隙がないの元ネタは？将棋漫画でパロディ

ハチワンダイバーに登場

将棋漫画『ハチワンダイバー』30巻（柴田ヨクサル作）にも、序盤中盤終盤がパロディとして登場しました。

森根名人というキャラが「序盤中盤終盤、隙がないと思うよ。だけどオイラ負けないよ」とそのままのセリフを披露。

しかも「オイラ負けないよ」と元ネタの本家ではなく、橋本さんバージョンが使われています。

『ハチワン』はもともと将棋アクション漫画という異色作なので、こういう遊び心も作品の魅力なんですよね。

3月のライオンのPR動画

漫画『3月のライオン』12巻の発売を記念したPR動画でも「序盤中盤終盤」が使われました。